成長と斬れ味

入学進級の季節ですね。環境の変化にぐったりしながら、日々をなんとか熟しています。大体朝ワー!て起きてぎゃー!て仕事行ってひーん!て帰ってきてダーッ!と夜寝るまでわたわたしている、そんな毎日です。

そんな毎日なので、記憶に残る出来事が少ない。とにかく日々のやらなきゃならないノルマを熟すのに必死で、取り零したものを夜に「あーあれできなかった、これもやってない」と後悔しながら浅い眠りにつく。そんなかんじ。

で、ふと我に返って隣を見ると、いつの間にか成長してるのが子供というイキモノ。気づけば長女はしっかりおしゃべり上手な女の子だし、次女は意思表示ができる赤ちゃんになっていた。うっそ。いつの間に。

こないだまでバブバブ言ってたし寝返り打てなかったじゃん。

私が毎日出来ないことを数えている隣で、できることが増えていた子供たち。頼もしいですね。未来を育むってこういうことかあ、と嬉しくなります。

 

しかし、私の予想以上に成長してるので、ときどきちょっと予想外なところで傷つきます。子供だ子供だと思っていたら実は私が思っているほど子供じゃなかった、そういうことが時々あるのです。

 

例えば帰りの車で長女が「ねえ、雲に乗れたらなにしたい〜?」と言い出した時とか。

私は子供らしい長女の会話にウキウキしながらノリました。

「え〜!ママ嬉しくてぴょんぴょん雲の上飛んで色んなところ行きたいな〜!」

夢いっぱいの三十路親の回答。すると長女は「えっ(笑」と半笑いになり

「いや雲には乗れないでしょ(笑)」

 

あなたがフッてきた話題なのに??????

 

突然半笑いで梯子を外されて私は狼狽えました。「えっ…ああ……うん…そうだね…」と答えるのが精一杯。この会話の間に急に現実的になってしまった長女に小さく傷つきながらアクセルを踏みました。取り敢えず早く家に帰りたい。そう、雲には乗れない…どこにもいけないのだから…。

 

 

女の子って冷静ね…。そんなリアルを知った数日後、保育園のクラスで人気の子の話になりました。

「○○くんだいすき!みーんな○○くんのこと好きなんだよ!」という長女。私も○○くんは知っています。たしかに元気でめっちゃ挨拶上手な子。そうか〜、長女もそんなことを話題にするようになったか〜!とほんのり嬉しくなりながら相槌を打つ私。

「○○くん、良い人だもんね〜!」

「いちばん髪型がかっこいいからね!」

 

あっ、髪型か〜〜〜〜〜〜!

 

そっか……髪型……性格とかではなく…?

大人かと思えば子供の価値観で、空振った感が半端ない。そっかあ、髪型かあ。いやまあ確かに、うん、かっこいい…?

送り迎えの僅かな時間でしか合わない○○くんの顔は思い浮かんでも髪型までは正確に浮かばぬ母。しかし「クラスのみんながかっこいいと言う髪型」なら園児からの人気は凄いんだろう。○○くん、オシャレリーダーだったのか。そっかあ、髪型かあ。

恋バナにはまだ早かったか…。どうやら私が思うより大人ではなかったらしい。口ぶりは完全にJKのそれだったのに、ギャップすご…。髪型かあ…。

 

そして今朝、休みで布団を楽しんでいる私の隣で、朝早くから絵本を読む長女。

「そして、エルサはいつまでも寝ているアナを起こしにいきました」

元気いっぱいに朝5時からそこまで音読し、長女は「んふふw」と吹き出しました。

 

「いつまでも寝てるwママみたいww」

 

はい〜〜〜〜!!!!すみませーーーーん!!!!

思わず吹き出す私。「あ、起きた」とけらけら笑う長女。いやまあ事実だけどさあ!もうちょっとオブラートに包むとか、さあ!

ぐうの音も出ないまま布団に潜り込む私に乗っかり、続きを音読する長女に、私が思ってるより大人だし、私が思ってるより子供なんだなあと、ちょっとだけ傷ついた心を擦りました。事実だからね。言い返せないからね。できる限り布団から出たくないからね。

 

 

 

きっと私はワーッと毎日過ごしているので、変化に気づいてないだけで、子供は毎日成長してるはずなんですよね。私が勝手に「まだ子供だろう」とか「そろそろわかるか」とか、侮ったり期待してるから、その落差に勝手に傷ついたり驚いたりしてるだけなんでしょう。

次に子供たちが成長してるのに気づくのはいつだろう。多分また勝手にびっくりして気づくんだろうなあ。

いやしかし、どこでもドアの話ししてるときに急に「遠くのまちにドアではいけないでしょ(笑)」って現実見せてくる系のやつは控えめにしてほしい。斬れ味すごいんよ。ママはまだ夢いっぱいなので。そこらへんママは子供のままなんで。ママの夢壊さないでほしい。ドラえもんは実現するって信じてるんで、ママは!

手加減宜しくおねがいします。